祇園閣
祇園閣は明治・大正にかけて活躍した実業家大倉喜八郎翁が、建築家で建築史家でもあった伊東忠太博士に設計を依頼し建設した高閣です。京都大倉別邸敷地内に建てられました。(1927年/昭和2年12月竣工)
二人の関わりは、東京本所の別邸内に蔵春閣(1912年/明治45年竣工)を建てる為の意見を求めた頃より始まり、大倉集古館(1927年/昭和2年11月竣工)、京都大倉別邸(1928年/昭和3年竣工)、喜八郎翁の墓所(1930年/昭和5年建立)の設計へと続きました。 祇園閣を建てるにあたっての二人の経緯を「大倉集古館祇園閣京都大倉別邸建築記念寫眞帖」にあるので右に記載します。 1973年(昭和48年)寺町四条南に伽藍を擁していた龍池山 大雲院が、祇園閣のあるこの地に移転するに伴い、祇園閣は寺院の伽藍に組み込まれました。そのご龍池山 大雲院創建400年を記念して、1987年(昭和62年)に敦煌莫高窟の壁画が、内部壁面に中国人画家 葛新民氏によって模写されました。 2010年(平成22年)に登録有形文化財文化財となりました。 現在は年に一期間だけの特別拝観日以外一般公開は行われておりません。
故翁幼少ノ頃雨傘翳シテ使セル時隅突風ニ遭ヒ傘忽チ破レテ逆立セルノ狀深ク印象ニ存セルヲ想起シ之ヲ採リテ京都ニ一名物ヲ加ヘント之ヲ以テ工學博士伊東忠太氏ニ委嘱セラル。然ドモ此ノ奇体ヲ建築シ具体化センコトハ誠ニ容易ニ非ザルヲ以テ更ニ想ヲ轉ジテ祇園祭ノ鉾ヲ象ルニ决シ即チ成レルヲ斯ノ祇園閣トナス。
「大倉集古館祇園閣京都大倉別邸建築記念寫眞帖」